多数のファイルをアップロードする際、Windowsエクスプローラからドラッグ&ドロップでファイルをアップロードできる機能があれば便利です。FileBlogでは以前からドラッグ&ドロップによるアップロード機能を提供してきましたが、ブラウザの機能変化やセキュリティを巡る時代の変化の影響を受けて、実現方法の進化が続いております。

今回は、その変化の歴史をたどってみます。

1)ブラウザ標準のファイルアップロード機能

FileBlog Ver.1 (2007年7月)の当初から、最新版に至るまで存在するのが、Webブラウザの標準機能であるファイルアップロード機能です。

  • PC(WindowsでもMacでも)のブラウザであれば、どんなブラウザからも必ず使えます
  • 一度に複数ファイルを選択してアップロードすることも(ブラウザによって)できます

ただし、ドラッグ&ドロップではないので、直感的ではありません。2007年当時のブラウザは、一度に1ファイルずつのアップロードしか許していなかったため、まずは「複数ファイルを一括でアップロードをサポートしてほしい」という要望をしばしばいただくようになりました。

2)Flashプラグインによる複数ファイルアップロード - (廃止されました)

FileBlog Ver.1.1 (2008年1月)にて、ドラッグ&ドロップによるファイルアップロード機能が初めて実装されました。当時のブラウザ(Internet Explorer 5 など)には、標準機能としてのドラッグ&ドロップのサポートはなかったため、FileBlogの複数ファイルアップロード機能は、当時普及率が高かった Flash プラグインを使って実装しました。

Adobe Flash をインストールしておけば、FileBlogのWebアプリケーション上で、複数ファイルの一括アップロードが可能となりました。

ただし、選択できるのは複数の「ファイル」だけであり、フォルダをまとめてアップロードすることはできなかったり、アップロードできるファイルサイズには上限があったりと、制限事項が多い状態でした。そこで、「フォルダ」単位のアップロードや、巨大ファイルのアップロード、ドラッグ&ドロップでのアップロードがしたいというご要望は引き続き寄せられました。

Flashサポートの打ち切り

かつてAdobe Flashは(2008年ごろまでは)、ほとんどのPCのブラウザにインストールされWebの標準ともいえましたが、iPhone / iPad のブラウザが Flash のサポートを打ち切ったこともあり、次第に使われなくなってしまいました。

最近のHTML5対応ブラウザは、アップロード対象ファイル選択において、複数ファイル選択を可能としています。複数ファイルの一括アップロードに Flash アップローダを使う必要性がなくなりました。今ではFileBlogもFlashに依存しておりません。

3)Java アップローダによる、フォルダを含めたドラッグ&ドロップのアップロード

FileBlog Ver.3.1.1 (2011年3月)から、FileBlogのファイルアップロードに、新たにJavaアプレットを利用した新アップローダ(Javaアップローダ)が利用可能となりました。(本機能は現在も利用可能です)

Javaアップローダのメリット

  • Windows PCにおいては、エクスプローラからのドラッグ&ドロップによるアップロード対象ファイルの選択が可能になりました
  • ドラッグ&ドロップの対象として、ファイルのみならず、フォルダも選択することができるようになったため、ファイルを含むフォルダをドラッグ&ドロップすることで、1アクションで多数のファイルをアップロードすることもできるようになりました
  • どんなに巨大なファイルも分割アップロードするため、してアップロードできるようになりました
  • JavaはWindows PCでも、Linux PC でもたいていのプラットフォームにインストール可能です

Javaアップローダは高機能ではあるものの、残念ながら現在、Webの進化からは取り残されつつあるように思います。

Javaアップローダのデメリット

  • クライアントPCに、Javaランタイムがあらかじめインストールされている必要があります
  • Mac OS X でのJava アプレットの動作には不具合があるものの、AppleとOracle(Javaの開発元)の連携が良くないため、Mac OS X 向けのJavaランタイムの最新化が滞っており、事実上、MacでのJavaアプレットの利用は困難になってしまいました
  • 各社のブラウザがセキュリティ強化の一環として、プラグインのインストールを制限するようになりつつあります。すでにGoogle ChromeやMicrosoft Edgeなどのブラウザは、Javaアプレットのインストールを禁止するようになりました。近い将来、Javaアプレットは絶滅すると思われます

4)ブラウザへの直接ドラッグ&ドロップ - (新機能予告)

HTML5準拠の最新ブラウザでは、ドラッグ&ドロップが標準でサポートされるようになったので、FileBlogでもこの機能を利用して、エクスプローラ(Windows)やファインダ(Mac)からブラウザへのドラッグ&ドロップによるファイルのアップロードをサポートいたします。

本機能は、2016年6月末ごろにリリースを予定している FileBlog Ver.3.6 から対応いたします。

ドラッグ&ドロップをサポートする箇所

フォルダ一覧画面へファイルをドロップできます。

ファイル上書き更新ダイアログに、ファイルをドロップできます。