現場リーダーはスタッフのために、作業現場における状況判断と作業指示を一手に引き受けます。

大量に押し寄せる案件について、つねに正確な判断を下すには、判断材料となる情報も大量に必要です。それだけの量の情報を記憶に頼ることは不可能であるため、書類や電子ファイルなどの外部記憶に情報を蓄積するしかありません。その結果、情報を探すための時間が必要になってしまいます。

現在、知識労働者は労働時間の10%~30%を、情報の検索に費やしているといわれますが、現状の電子メールソフトにもグループウェアにも、そしてファイルサーバにも、大量の情報の蓄積に対して十分効果的に検索を行なう仕組みを備えていません。強力な検索機能を実現できれば、毎週数時間の「探し物」時間を削減できることでしょう。

検索のパフォーマンスは、人間の視覚・脳に大きく依存する

検索システムの性能というと、ハードウェア性能や検索アルゴリズムの問題だろうと考える方が多いでしょうが、実際のところ検索の性能はそれを使う人次第です。

それというのも、検索時間は以下の三つの時間の合計であるからです。

  1. 検索目的に応じた手がかりを思い出し、検索条件を入力する時間
  2. 検索条件にマッチするデータの一覧が表示されるまでの時間
  3. 表示された検索結果の中から、目的のデータを選び出す時間

上記の三つのうち、最初と最後のプロセスはいずれも人間の脳が行なう作業です。そこで、私たちは人間の脳が行なうこの二つの活動を妨げずに助けるように、検索システムを設計しました。

人間の脳内の索引情報を活用する

人の脳の記憶は正確性にはかけますが、以下の点について、だいたいのところは瞬時に思い出すことができます。

時期に関する記憶 探している情報について、いつごろ目にしたモノか、だいたいは記憶しているものです
分野・分類に関する記憶 フォルダにファイルを放り込んだりしたとき、どのあたりだったかは思い出せるでしょう
キーワードの記録 どんな言葉が使われていたのか、いくつかは思い出せるでしょう

キーボードもマウスも一切操作すること無しに脳内記憶によって上記の情報が瞬時に取得できるのですから、これら情報の組合せを最小限の操作で入力することによって簡単に検索ができるようにすれば、それだけ効率が良いはずです。

人間の視覚による検索性能を向上させる

検索条件にヒットする情報が多数あっても、その中で本当に欲しい目的の情報は少ないものです。数多い検索結果の中からから目的の一件を見つけ出すためには、そのための手がかりとなる情報が一覧表示され、かつ一覧のデータを、各種の手がかりにもとづいて並べかえできると便利です。

ファイル一覧の中から目的のファイルを見つけるには、ファイルの提出先・作成者・総ページ数・更新日時などの「手がかり」となる属性がなるべく多く一覧に含まれていた方が見つかりやすく、しかもその一覧を日付順に並べたり、五十音順に並べ替えたり、数値の昇順・降順で並べ替えたりと、その場その場で自由に並べ替えができることが望ましいと考えられます。