よくあるデータベースシステムアーキテクチャと、そのユーザの大まかなイメージを掴みます。

誰がデータベースを使うのか

データベースシステムを使うユーザには、個人から大企業、政府機関などの巨大組織にいたるまで、様々な規模があります。データベース・システムをどのように構築するか...その方法は、まず第一に、データベースを利用するユーザの組織規模によって大きく変わってきます。

ここでは、以下のようなユーザの類型を想定します

ユーザ類型
定義
個人ユーザ 個人的なデータ管理にDBMSを使うユーザ
小規模組織 一つの拠点に常駐する二人~十数人でデータを共有するユーザ
中規模組織 一つの拠点に常駐する数十人~数百人でデータを共有するユーザ
大規模組織 地理的に分散した複数の拠点に常駐する、数百人以上でデータを共有するユーザ
オープン組織 地理的に分散した不特定多数の顧客に、ネットワークを介してサービスを提供するユーザ

データベース・システム・アーキテクチャのいろいろ

大雑把に言って、それぞれのユーザ類型に合ったシステム・アーキテクチャは、下の表の通りです。(あくまでも大雑把にです。実は例外がいろいろあります.)

ユーザ類型
最適なデータベース・システム・アーキテクチャ
個人ユーザ デスクトップ型
小規模組織 ファイル共有型
中規模組織 二層クライアント・サーバ型
(+ストアド・プロシージャ)
大規模組織 三層クライアント・サーバ型
オープン組織 Web・DB連携型

以下に、それぞれのアーキテクチャ類型のを紹介します。

デスクトップ型 データベース・システム

 

一つのアプリケーションの中に、ユーザ・インタフェースからデータベースアクセスまでのすべての機能を持ち、1台のPC上で動作するものです。

ファイル共有型 データベース・システム

 

二層クライアント・サーバ型 データベース・システム

 


 
データファイルへのアクセスを専らデータベース・サーバだけが行い、ネットワーク上に分散するユーザPCのアプリケーションはデータベースサーバと通信することで間接的にデータアクセスを行うものです。

一つのアプリケーションプログラム中にすべての機能を持ちますが、データベースファイルを、ファイルサーバ上の共有ディレクトリ上に置いて、ネットワーク上に分散する複数のPC(端末)から、複数のユーザによる同時アクセスを受け付けるものです。

三層クライアント・サーバ型 データベース・システム

  

ユーザが地理的に遠く離れた拠点に分散して帯域の狭い回線を使わざるを得なかったり、クライアント数が多すぎたりして、通信負荷に回線が耐えられない場合や、データベースサーバの負荷が大きくなりすぎた場合に、中間層にあたるアプリケーション・サーバを用いて、通信量の圧縮および、データベースサーバ負荷の軽減・分散を行うもの。

Web・DB連携型 データベース・システム

 

Webサーバにデータベースアクセス機能とアプリケーション機能をを登録し、アプリケーション・サーバの役割を果たさせ、クライアント・アプリケーションとして一般的なWebブラウザを用いるもの。

以下のセクションにて、それぞれのアーキテクチャの特徴と、採用・製品選定のポイントについて説明します