建築基準法の関連資料から必要な情報を素早く発見したい!

ポイント

鉄飛テクノロジーは、愛知県のICT活用課題解決支援事業「AICHI X TECH 2024」に参加し、愛知県建築局 建築指導課と共同で業務効率化の実証実験を行いました。FileBlogを活用した4ヶ月の実証実験の結果、建築基準法関連の問合せ対応時間において約60%の短縮効果が確認されました。

*本コンテンツは、2025年1月31日に公開されたAICHI X TECH 2024実証実験の最終レポートを要約したものです。詳細はこちらをご覧ください: https://aichixtech.pref.aichi.jp/projects/project09.html (2025/02/25現在のURLです。将来https://aichixtech.pref.aichi.jp/2024/projects/project09.html に変わる可能性があります)

実証実験期間:2024年8月~11月

実証実験の背景・目的

愛知県建築局 建築指導課では、建築基準法の法解釈や取扱いの運用について、問い合わせに日々対応しています。法律だけでなく、国がその運用を通知する「技術的助言」や「質疑応答集」など、膨大な関連資料から案件ごとに探し、紐解いて根拠を示しながら回答しています。

しかし、複雑な内容の問い合わせに対しては電話を一度切ってから、情報を収集して改めて回答する必要が生じ、これが複数重なると場合によっては回答が遅れることもあります。近年は法改正が多く、情報のアップデートが必要なため経験者であっても回答に苦労することがあります。

今回の実証実験では全文検索ツールのFileBlogを用いて、建築基準法等の関連資料から必要な情報を瞬時に網羅的に提案するシステムを構築することになりました。関連資料は紙・書籍・データ等場所が分散しており、情報検索が複雑になり時間が多くかかっています。関連資料の全てをPDF形式に統一してファイルサーバに一元管理し、PC画面で検索して直ぐに回答できるようにします。

実証実験の方法

電子化した資料の検索効率を上げられるように、PDF分割ツールを開発して小見出し単位にPDFファイルを細分化しました。たとえば書籍は、スキャナで電子化(PDF化)してOCR処理し、市販のPDFエディタで付加したしおりに基づいて分割ツールでファイルを自動分割します。

分割したPDFデータをファイルサーバに保存し、フロントにFileBlogを導入して検索エンジンで瞬時に検索できるシステムを構築しました。FileBlogのポータル機能を活用して、「検索キーワードランキング」「閲覧ランキング」「最新のファイル」をポータル画面に集約し、アクセス頻度が高い情報はすぐにアクセスできるような工夫も行いました。

当該システムを利用して、電話相談の回答時間の短縮を図ります。保留もしくは電話をかけ直す相談(回答の見当がついている場合の資料検索等は除く)を対象に、受電後から回答するまでの時間の削減効果を計測します。システム運用前の相談回答時間は平均115分でした。

実証実験の結果・課題

今回構築したシステムにより建築基準法関連の問い合わせ対応時間において約60%の短縮効果が確認されました。システム導入後の相談回答時間は平均46分で、導入前の115分から69分の時間削減に成功しました。

このほかにも文書の管理や建築基準法の運用検討に利用できるなど、システム導入による業務改善や効率化が図られる可能性が示唆されました。

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