私たちはファイルサーバ検索エンジンを販売しています。検索エンジンの導入のきっかけとして、ファイルサーバの買い替えということが、しばしばあります。

ファイルサーバが老朽化してハードウェア障害が発生したり、動作が遅くて耐え難くなったりした場合には、買い替えは必須でしょう。しかし、買い替えの動機として一番多いのは、ハードウェアの寿命より前に、データ量が増えて容量が不足したというものです。

検索エンジンの導入目的として「ファイルサーバの無駄をなくしたいから」と答えるユーザは少なくありませんが、その動機をよくよく聞いてみると、ハードディスクの残り容量が足りなくなってしまったために「不要なファイルを消して下さい」という社内通達が半永久的に出っぱなしになっており、何とかならないかと考えて検索エンジンを検討していることも多いように思います。

少しばかり不要ファイルを消したところで、ファイルは日々増えますから「イタチごっこ」です。なぜ、こんなことになるのでしょうか?案外、もともとの原因は、税法にあると私は考えます。

ファイルサーバのリプレイスはなぜ5年おきなのか

PCサーバの実際の寿命は、よいパーツを作ったサーバ製品ならば10年近くはあると思います。なのに、多くのお客様企業では、ほぼ5年か6年程度でファイルサーバを買い替えるお客様が多いように思います。これには、税法が関係していると思います。

税法上、サーバ用に使用する電子計算機の耐用年数は5年です。
そのため、5年に一度ファイルサーバを買い換える前提で、ファイルサーバの調達が行われ、ファイルサーバに必要なハードディスク容量も、5年先を見越して見積るのが一般的になったのでしょう。

しかし、会社が成長し業務量が増えるにつれて、処理される情報量は増えるのが普通であり、5年前に予想した以上のペースでファイルが増えるため、3年ほどでファイルサーバのディスクが埋まってしまうことは珍しくありません。

それなのに、ファイルサーバ調達には値切り交渉がつきもので、その際には真っ先にディスク容量が削減されます。
5年先を見越したディスク容量は、導入当初においては明らかに過剰であるため、多少削減しても2~3年は問題になりませんし、3年後には担当者が変わっているかもしれないので、現場レベルでの「問題先送り」が行われやすいのです。これでは3年でいっぱいになって、当たり前です。

データ増加で容量が尽きる年数(3~4年)<税法上の耐用年数5年<ハードウェアの寿命10年

という関係が成り立っているように思われます。

税法上の耐用年数と、利用の実態にミスマッチが生じてしまう、代表的な例ではないでしょうか。

2~3年で増設する前提で調達するのがオススメ

「問題先送り」というと、無条件に悪いことのように見えますが、ハードディスクドライブの容量単価は日進月歩で安くなり続けますから、5年分の容量を最初から調達するよりも、2~3年ごとに必要なディスクを増設する方が総費用を抑えることになり、本来は正しい考え方です。

ファイルサーバの調達に関する私からの素直なオススメは、2年後あるいは3年後の容量拡張を織り込んで調達することです。拡張用のドライブベイやコネクタを最初から用意しておけば安心でしょう。また、今後はクラウドサービスの利用で容量を補うという選択もあり得るでしょう。

2~3年間運用してディスク容量が不足してきたところで、ディスクを増設すれば、そこからさらに4~5年、合計で6年~8年運用できることになります。

面子を捨てて楽になろう

多くの企業では、ファイルサーバを調達して3年ほどでディスクがいっぱいになってしまう例が、後を絶ちません。
そのような場合の「ファイルサーバの無駄なファイルを削除したい。」という要望の真意は「3年前にファイルサーバ調達計画を承認した人の面子を保つために、みんなであと2年我慢する必要にせまられていますが、少しでも楽に我慢できる方法を教えてください」ということだと思っています。

しかし、面子を捨ててしまえば、もっと楽になるし、誰も我慢する必要などないのです。

確かに「不要ファイルの発見・整理を支援するソフトウェアがありませんか?」と、時々求められることがあり、弊社製品FileBlogにも
例えば「7年以上前の100MB以上のファイル」を検索する機能などを実装していますが、そんな一時しのぎのためにソフトウェアに投じる予算があるのなら、
ハードディスクを増設するほうが本質的な解決であり、しかも安くつくと思われますので、弊社ではそういった使い方を想定しておりませんし、実装する予定もありません。

私たちはお客様のご意見を大切にはいたしますが、表面的な要望を「真に受け」すぎないように、気を付けてもいるのです。

なお、弊社では中古サーバを短いサイクルで買い換える運用を行っています。中古サーバでの運用は技術的な問題に自力で対処できる覚悟が求められますので、万人におすすめできるものではありませんが、安いですし、経費処理も早いです。中古外車を社用車にする社長さんの気持ち、よくわかります。

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