2011年にDropboxが日本語対応され、同期型でオフラインでもファイルアクセスができることから個人利用への普及が進みだしました。それはビジネスチャンスとなって、多くのITベンダーからも同様のストレージサービスが提供されるようなり、法人利用への普及も始まりました。当時は、このままでは社内のファイル管理は全てクラウドのストレージサービスに移ってしまって、オンプレのファイルサーバーがなくなってしまうのではないかと、弊社では戦々恐々としていました。

しかし今のところ、それは杞憂となっています。

雲の中のような見えない場所に大事なファイルを保管するのは気が引けるということなのか、法人におけるファイル管理環境は、当初の想定よりも遅い速度でクラウドサービスへ移行が進んでいます。

クラウドストレージサービスには、大きく分けて2種類あるといえます。1つは、オンラインストレージサービス、もう1つはマネージドファイルサーバーサービスです。

オンラインストレージサービスは、インターネットに接続できれば時間・場所を選ばずに利用でき、スマートデバイスでも利用ができるサービスも多く、個人・法人の利用者がたくさんいます。法人利用では、主にファイル転送やファイル共有・共同作業の用途で、社外の従業員や第三者との共有に利用されます。一時的・有期的なファイル管理が目的であり、組織全体の長期的な資産管理を目的とする用途での利用は多くはないと思います。

マネージドファイルサーバーサービスは、文字通りファイルサーバーとして利用され、組織全体のファイル管理や、プロジェクト単位での有期的なファイル管理の用途として利用されることが多いです。パブリックなインターネットに接続して利用するのではなく、プライベートでセキュアなネットワークを構築し、Active Directory認証にも対応可能なNTFSファイルシステムとして運用することが一般的です。あたかもオンプレミスのファイルサーバーであるかのように、Windowsエクスプローラで接続して利用できるのが特徴です。このサービスは、ゼロからファイルサーバー環境を構築できるようにしている形態と、パッケージ化された構築済みの環境を利用する形態があります。

なかには画面UIを工夫して、オンラインストレージサービスをマネージドファイルサーバーかのように仕立てて提供されているサービスもあります。

クラウドストレージサービスとFileBlogの連携については、現在、オンラインストレージサービスのデータをFileBlogの検索・閲覧対象にすることはできませんが、マネージドファイルサーバーのデータをFileBlogの検索・閲覧対象にすることはできます。

オンラインストレージサービスは広く普及していますが、前述のとおり一時的なファイル共有での利用が多いため、FileBlogが力を発揮できる場には向いていません。

一方、マネージドファイルサーバーは、大まかにはシステムが社内側にあるかクラウド側にあるかの違いで、その利用目的が変わることはなく、専らファイルの長期保存の用途に利用されることが多く、そこにはFileBlogの活躍の場があります。ファイルサーバーがクラウド側に移ってしまったら、FileBlogサーバーもクラウド側に構築することでスムーズな連携を図れます。

オンラインストレージサービスがさらに安価で使いやすくなって長期的なファイル管理用途にも普及したり、あるいは、そもそもファイル管理概念がストレージサービスではなく、グループウェアやコミュニケーションシステム、ワークフローシステム等に移行したりすると、FileBlogのような製品は不要になります。今のところファイルの保管・管理にはストレージサービスが重宝され、さらには、大量ファイルの保管・管理にはマネージドファイルサーバーの方が向いていることから、FileBlogが求められ活躍できる場は、まだまだなくなることはないと考えています。