数百テラバイト・5000万文書級のファイルサーバー全文検索システムを構築 - 株式会社マーベラス

ゲームの企画・開発から音楽・映像の制作・配信まで、多彩なコンテンツを武器に事業を拡大する株式会社マーベラス。近年は、2.5次元ミュージカルと呼ばれるコミックやアニメーション、ゲームなどを原作とした舞台・ミュージカル作品の企画・制作・興行にも力を入れるなど、総合エンターテイメント企業として成長を続けています。

マーベラスでは、これらの事業の核となり利益を生み出す重要な知的財産としてのコンテンツをファイルサーバーに集約し、その数百テラバイトにおよぶ膨大なデータの中から業務に必要なものを素早く的確に探し出す仕組みとして、FileBlogによるファイルサーバー全文検索システムを構築しました。

導入前の課題：利益に直結する膨大なコンテンツをいかに素早く的確に探し出せるか

３つの会社が経営統合して設立されたマーベラスでは、各社が持っていたゲームのデザインやキャラクターなどの画像、音楽・映像といったコンテンツが、それぞれのファイルサーバーや開発者のパソコンなどに分散保管されていたため、業務に必要なデータがすぐに探せないという課題を抱えていました。この課題を解決するために取り組んだのが、ファイルサーバーの統合によるデータの集約、さらには集約されたデータを効率よく検索する仕組みの確立です。

データの集約と検索の重要性について、管理統括本部情報システム部長兼デジタル基盤推進グループマネージャーの前田浩二氏は次のように説明します。「当社のビジネスにとって、画像や映像のデータは、利益に直接つながる重要な知的財産です。過去のデータであっても、ゲームのプラットフォーム移植やキャラクターのライセンス販売など、ビジネスを広げる可能性を持っています。散在しているデータを一か所に集約して安全に保管し、そのデータを確実に探して取り出せる仕組みが必要でした」

また、データを利用する側の課題だけでなく、運用管理の観点でも解決すべき点がありました。「以前は、『このゲームを移植したいのでソースコードを探してほしい』といった現場からの問い合わせが、情報システム部に頻繁に寄せられていました。しかし、実際のデータ探しは、社歴の長いスタッフの勘に頼らざるを得ない面がある上、利益に直結するので探し出すスピードも求められ、部内の業務を大きく圧迫していました」と前田氏は振り返ります。

導入のポイント：大規模なファイルサーバー検索にも対応できる確かな技術力が備わった製品

そこでマーベラスでは、2018年7月に分散しているデータを集約するためのストレージシステムを刷新してファイルサーバーを統合し、データを系統立てて安全に保管するルールを策定します。その上で、データを効率的に探し出して参照・利活用できる全文検索システムの検討を開始し、その中核となる製品にFileBlogを選択しました。FileBlogのお客様としては最大規模となる5,000万文書ライセンスでの導入です。

前田氏はFileBlogを選んだ理由について、「大規模な検索への対応が最大のポイントでした。画像や映像を中心に容量は数百テラバイトにおよびます。最初はオープンソース製品を使って自分たちで構築することも検討しましたが、サイジングや運用ノウハウなど技術的な部分で不安がありました。FileBlogはファイルサーバーの全文検索に特化したパッケージ製品で、検索対象が大容量・大規模でも十分に対応できます。一般的にオンプレミスでの導入では容量に余裕を持ち過ぎた構成になりがちですが、コストを考慮した現実的で具体的なサイジングを提案してくれたことも導入の決め手となりました」と語っています。

さらに、「鉄飛テクノロジーの高い技術力も魅力でした。提案時に大規模ファイルサーバー検索についての具体的な実証例を提示し、当社の環境に合わせた試用版をすぐに作って提供してくれました。こちらの疑問点には即答してくれますし、顧客の要求や不具合の改善を製品に反映するのも確実で早い。やはり、自社開発製品というのは信頼感が違います」と話し、技術の面においても高く評価しました。

導入効果：リモートワークにも有効なプレビューとマニュアルいらずの容易な運用管理

2019年12月にマーベラスのファイルサーバー上でFileBlogの運用が開始されました。前田氏は導入後の効果について、次のように話しています。「検索のしやすさはもちろんですが、プレビュー機能が非常に優れています。特にリモートワークで社外からVPN接続する場合、ファイルを開かなくてもブラウザ上でデータの中身が確認できるので動作が軽い。今後は在宅勤務を含めリモートワークでの業務環境の快適さがこれまで以上に求められるので、FileBlogの有用性がますます高まってくると思います」

運用管理の面でも効果が現れています。「安定した検索が可能になったため、情報システム部の業務を圧迫していたデータ探しの問い合わせはほとんどなくなりました。製品の導入も簡単で、数百テラバイト規模の全文検索システムを自力で構築できました。運用に関してもFileBlogはとても楽です。慣れ親しんだWindowsエクスプローラー形式で簡単に操作できるので、詳細なマニュアルやユーザー教育といったものを用意する必要はありませんでした」（前田氏）

マーベラスでは今後、ファイル名とフォルダ名による検索に加え、関連する複数のデータを紐づけた検索方法や、画像や映像、音声の類似コンテンツの検索方法の研究を進め、FileBlogのさらなる利用促進を図っていく計画です。