近年、多くの企業がAIの導入を急いでいます。しかし、流行の技術の性急な導入が必ずしも正解とは限りません。FileBlogはAIチャットとの連携にも対応していますが、鉄飛テクノロジーでは最新技術の導入を積極的に検討しつつ、成熟した技術による安定運用を志向しています。
IT業界には、はやり廃りがあります。今の時点でAI活用が遅れているからといって、自分の会社は遅れているのだと悩まなくても大丈夫です。ビジネスにおいては、先頭を走ることよりも最後まで走り続けることの方が重要です。ブームの初期に先頭を走っていた製品が最後まで生き残るとは限りませんから、流行に惑わされずに自社に適した製品を見極める必要があります。
AIは瞬く間に普及し、今や当たり前のサービスになりました。しかし、新しいテクノロジーの採用を急いで、特定の製品に大きく投資する必要はありません。AIの利用は手段であるべきです。AIの導入そのものを目的として焦って動いても成果は出にくいと思います。
AIが生む新たな課題とAIとの向き合い方
2025年11月、FileBlogはチャット型のAIエージェント(オプション機能)を新たに搭載しました。「最新の価格表はどこ?」、「○○の手続き方法は?」のように質問すると、AIエージェントがファイルサーバを検索して回答を生成します。回答の元になったファイルへのリンクを提示するため、原文もすぐに確認できます。

ファイルサーバ内の文書を基に、ユーザーの質問に回答するFileBlogのAIチャット機能
AIの能力向上は技術的必然、AIが普及して労働を代替するのは経済的必然で、もはや避けられませんが、AI普及の過程で新たな課題が次々と生まれます。今は、AIに何をやらせたら効果的か、目的を決めきれずにAI投資に踏み切れない企業が多いかもしれません。そういったお客さまには最小の投資で試行錯誤できる環境が望まれます。
やがて、AIの有用性が明確になって利用シーンが増えるほど、AIのミスによる損害やセキュリティリスクといった新たな課題がクローズアップされるはずです。そこで重要になるのが、AIが参照できる情報を制御する権限管理などのAI統制の仕組みです。
AIを一人の社員のように管理する
人間とAIが健全に共存するには、AIを個人の道具としてではなく、組織の仲間として管理・統制して、相互依存・相互信頼の関係を築く仕組みづくりが必要です。理想とするのは、AIを一人の社員のように管理する仕組みです。
AIがユーザーの質問に答えるためにデータを参照する際は、本来そのユーザーが見ることができないはずの給与情報や秘匿文書の内容が漏えいしないように、AIにもユーザーと同等以下の閲覧権限を与えて管理する必要があります。FileBlogのAIも、ログインユーザーのアクセス権限をAIに適用する仕組みを採用しています。
今後、データの更新などをAIが担うようになれば、さらに一段上の統制が不可欠です。部長が新入社員に作業を依頼したとして、その新入社員が部長と同じ権限で何でもやっていいのかというと、それは違います。AIも同様に、部長が使う全てのAIに部長と同じ権限を与えるのではなく、新入社員と同じレベルの権限を持つAI、特定の作業だけに部長権限を使えるAIというふうに、AIの権限を絞って統制する。人間にとっての人事部のように、AIの職務分掌を定義する仕組みが必要です。
併せて、AIによる変更履歴を自動でバックアップしていつでも元に戻せるようにしたり、AIのミスを組織が許容できるように備えたりする仕組みも必要になるでしょう。こうした管理体制を整えて初めて、AIに安心して実務を任せられるようになると考えています。
FileBlogは現在、AIがファイルサーバ上の文書を検索・参照して質問に回答する機能を提供していますが、将来的には文書作成やファイル整理など、文書の更新や送信につながる操作をAIに許可する予定です。
AIが生む課題をAIを含めた技術で解決する
現在、ドキュメント作成などでAIの利用が拡大しています。ただ、AIに広い業務を任せるのはリスクが大きくコストもかかるので、慌てて飛び付く必要はありません。今後、より性能が良くて安いツールが出てくる可能性もあります。組織的にAIを導入するのは、自社にとって使いやすい製品を見極めたタイミングでもいいのではないでしょうか。FileBlogのAI機能も、お客さまのデータを守るために、安全性を確認した上で順次強化していきます。いずれはAIが生む課題を、AIを含めた技術で解決できるようになると思っています。
最終的に繰り返し問われる課題は、AIと人間が共存する未来をどう設計するかだと思います。鉄飛テクノロジーでは、AI普及の過程で次々と生まれる課題をふまえ、最新ITが生む新たな課題を成熟したITで解決するという企業理念をAI時代の文脈で再解釈し、人とAIとが共に考える組織の知識基盤を作りたいと考えています。

