損害保険代理店の事故受付センターにて、関連文書管理システムをFileBlogで刷新しました。

本システムの目的

法人向けの損害保険代理業を営むお客様では、自動車保険向けの事故受付センターを運営し、電話受付とともにFAXやメールで届く関係書類を日々処理しています。

大量の関係書類を、年度・契約種別ごとにフォルダに保管しつつ、それぞれのファイルに検索用のキーワードを付与することで、車両のナンバーや使用者名で速やかに検索できるようにしました。
いつでも過去に提出された書類の実物イメージを見ながらお客様に対応できるようにすることが目的です。

前システムの概要

顧客から入手した事故時の対応・手続きに関する書類をPDFファイルで管理します。
必要な書類に素早く正確にアクセスできるように、ファイルの「フォルダ管理・閲覧・属性検索・全文検索」ができるようになっていました。

現場では次のシステム2つを主に使用して事故関連書類管理を運用していました。

  • 文書管理システム: 全てのPDFファイルの保存・整理を管理する(本件の移行対象)
  • PDF統合アプリ: PDFファイルの編集やFAX連携に使用する(クライアントアプリ)

システム移行のきっかけ

それまでの文書管理システム(海外製クラウドサービス)は、唯一の販売元システムベンダー(国内)の販売・サポート撤退によって継続的利用が不可能となり移行の決断となりました。

システム移行の課題

システム移行には主に次の課題がありました。

  • サービスが停止される利用中の文書管理システム(クラウド)から、属性情報も含めて全ファイルデータを引き上げ、それら全ての新システムへの移行が必要。
  • 現場の切り替え時に支障や混乱が極力生じないように、現行の文書管理仕様(方法や手順)を引き継げるシステムを選定したい。
  • 利用中システムのサービス停止が迫るなか、新システムの設計・導入・データ移行・本番稼働を短期間で実施できることが必要。

FileBlog導入のポイント

[1]システム選定の検討

選定時にFileBlogは次のポイントが評価されました。

  1. 文書管理仕様の変更影響が小さい: 管理方法や手順の変更が軽微なため代替性が高く、現場ユーザーにおいてもシステム切り替えの短期実施が可能
  2. PDF統合アプリの継続使用: 文書管理システムとの連携目的に使用していたPDF統合アプリの継続使用が可能
  3. 移行期間: システム構築、既存データの移行、運用切り替えが短期間で実施可能
  4. Active Directory連携: ドメインユーザーアカウントでの認証・アクセス権限管理が可能
  5. 検索性の向上: 検索フォームは直観的で使いやすく、検索実行時の応答が早い
  6. ごみ箱機能(ファイル履歴管理): 誤って削除してしまったファイルの復旧に現場ユーザーの自己解決が可能
  7. 国産システムの安心性: メーカーへの問い合わせを直接できるのが安心
  8. コストの抑制: ランニングコストの削減が可能

[2]システム移行の環境変化(Before / After)

FileBlog運用ではオンプレシステムへの回帰となりますが、慣れているWindows環境(NTFSファイルシステム)でシステム運用が可能です。

移行前システム(Before)FileBlog(After)
システム管理クラウドサービス(海外製)オンプレサーバー
(Windowsアプリ:国内製)
インターフェースWEBブラウザWEBブラウザ
ファイルの保存場所クラウド(SQLシステム)Windowsファイルサーバー(FileBlogサーバーのローカルドライブ等)
属性情報の保存場所クラウド(SQLシステム)PDFファイル(XMPメタデータ)
ユーザー認証クラウドサービスの専用アカウントドメインユーザーアカウント(Active Directory連携)
アクセス権限クラウドサービスのアクセス権設定Windows NTFSアクセス権(Active Directory連携)

[3]文書管理仕様の維持(Before / After)

従来の文書管理仕様と比べて変更が小さく、新システムへのスムーズな切り替えが期待できると評価されました。
以下は顧客から届く報告・申請書類にかかるファイル保存のフロー(文書管理仕様)の比較です。書類のほとんどはFAXで受領します。

手順移行前システム(Before)FileBlog(After)
1FAX受信顧客からの報告・申請書類をFAX(複合機)で受信する同左
2自動保存FAXデータは複合機の機能により
文書管理システム(クラウド)の所定フォルダに自動保存(PDF形式)される
FAXデータは複合機の機能により
ファイルサーバーの所定フォルダに自動保存(PDF形式)される
3受信検知クライアントPCのPDF統合アプリに受信通知が入り
現場ユーザーがFAXデータを検知する
同左
4①ファイル名変更ファイル名を所定の形式に変更同左
②注釈挿入PDFに注釈(受付番号、受付日、担当者、枠線・丸印などの図)を挿入同左
③保存処理マウントされた文書管理システム(クラウド)の
年度別フォルダにPDFをコピー保存する
ファイルサーバーの年度別フォルダに移動保存する
④属性登録文書管理システムで当該PDFファイルに
属性情報(管理番号、借受人、担当者、営業所など)を登録
FileBlogで当該PDFファイルにアクセスして
属性情報(管理番号、借受人、担当者、営業所など)を登録
5⑤元ファイル削除所定フォルダのコピー元ファイルを削除する不要(移動保存のため)

データバックアップ対策

オンプレシステムに替わることでシステムやデータのバックアップ対策を新たに講じることが必要です。
(クラウドシステムではサービス提供側にバックアップ運用を任せていました)

FileBlog運用ではWindowsサーバーにおける一般的なバックアップ対策で運用できると評価されました。

  1. FileBlog(兼ファイルサーバー)は可用性を重視して、東京・大阪の2拠点にFileBlogサーバーを1台ずつ設置して冗長化しました。
    • 東京を主サーバーとして使用し、大阪をバックアップサーバー(副)として同期をとります。
    • 障害発生時には直ぐに副サーバーへ切り替えられます。
  2. ファイルデータのバックアップは、副サーバーへのデータ同期のほか、別途バックアップソフトによるバックアップも行います。

導入効果・期待

新システム(FileBlog)への切り替えを初期検討から本番運用開始まで短期間かつスムーズに実施でき、週末の2日でデータ移行が完了したため、日常業務への影響を小さく抑えられました。単純なコスト比較でも、FileBlogの保守料金は前システムのサブスクリプション料金を下回り、長期的なコストダウンにもつながっています。

今回の件で、クラウドシステムはとても便利であるが、一方でユーザー自身によるデータの自由な移動が困難である(データ主権がない)という側面にも気づきました。前システムでは、ユーザーに全ファイル(約10万件)および属性情報を一括エクスポートする機能が公開されておらず、移行コスト上昇の要因となりました。システムの導入当初においては盲点でした。

FileBlog運用ではファイルデータはWindowsファイルサーバーにあり、属性データもPDFファイル本体に付加されているため、再び別の文書管理システムに乗り換えることになったとしても、データ移行は難しくないと考えています。

自社ネットワーク内で稼働するFileBlogは軽快に動作して使い勝手もよく、現状は事故関連書類の管理に特化しているが、今後は業務にかかる様々な書類についてもペーパーレス化を進めてFileBlogを活用した文書管理の実施を想定しています。

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